不安なことに対して生き辛さを抱える長男にしてあげられること
我が家の長男6歳(年長)は周囲の年長さんと比べると心配なことが多く感じます。
でも、比べる必要はないとは思っているんです。
とわかっているのに少しの違いにアタフタ。
そんな長男の発達相談に行ってきた時と、その後の関わりと変化についての記録です。
気になっていた長男の特徴
以前の記事でも少し長男の事について触れました。
現在年長さんの長男は非常に不安を感じやすく、保育園でも保育士さんから「感受性がとても豊かですね」と言われています。
年中さんの頃参加した卒園式では、練習の時から親を感動させるために用意した楽曲で息子が泣いてしまう。 少し心配に感じるようになってきて育児相談も視野に入れています。
保育士さんやたまたま保育園に行政の巡回で来た専門の作業療法士の方、心理の勉強をしてる方は口をそろえて言います。 「長男くんはとてもゆっくりな子。不安な気持ちがとても強くなりやすく、不安を感じると泣けてしまうことが多い。たくさんスキンシップの時間をとりつつ愛情をあげて、ゆっくりな行動を見守ってあげてください。」とアドバイスいただきました。
【育児】無条件の愛をあげたいのに、角度を変えてみたら条件付の愛情表現の強要をして躾をしようとしていた - ものぐさワーママの3人育児挑戦記
今まで長男の事を見たり聞いたりする中で私自身が心配に感じた言動
- 年中の頃、クラスのリズムに馴染めていないと担任に言われた
- 年中時の卒園式の練習で感動シーンの曲で嗚咽を漏らしながら泣いてしまう。
- 普段から登園拒否傾向が強く、年長の今でも教室の入り口で抱きついたり泣いてしまう。⇒先生に抱っこで引きはがされてその後園では普通に過ごせる。
- 園行事の大太鼓演奏が怖くて登園拒否。
- 服を汚したり忘れ物をした時に保育園の物を借りるのは1時間以上泣いてでも嫌がる。
- 旦那が飲み会で遅いと「パパがいないと寂しくて…」と嗚咽を漏らして大泣き。
- 生活発表会の劇の練習でも周りの立ち位置が少しでも違ったりいつもと違うことが起こると大泣きし練習拒否。⇒本番、劇開始直後に舞台から親を見つけられず泣きながら幕へ走り去る。しばらく登場せず最後に持ち直して少しだけ参加。
- 「まだ一人で学校行けないから小学校にはまだしばらく行きたくないなー」
- サッカー教室で他の子とぶつかるのが怖くてボールに一切触れない。
- サッカー教室での試合はボールを追いかける子を追いかけていて走っているだけ。
- 習い事では親から離れない。練習場所が変わると親が帰ると大泣きで練習どころではなく周囲の練習も妨害して迷惑なほど。
- 基本的に行動が非常に遅い。待たせても気にならず、急かしても速くならない。
ほとんどが園の中、習い事の最中でのことです。
家の中で小さいころに気になっていたことは
- モーター音のおもちゃが苦手
という特徴はありました。
小さいころから男の子にしては大人しめでのんびり屋だけど、言うことはよく聞くし「手があまりかからない」と思っていました。
保育園に行きだして「朝保育園で離れられないのは1人目長男だから甘えん坊なんだな」と思う程度で、家では保育園の準備も片づけも指示を細かく出さなくてもしっかり自分でやってくれました。
年中になってもなかなか園で朝離れてくれないことにちょっと疲れつつも、仕事をしていたので泣いてても先生に任せて走って仕事に向かう日々が続いた時に先生から「年中さんにしては園のリズムに慣れないので周りと一緒に動くのが難しい」と言われました。
その時から心のどこかでモヤモヤしつつも、発達障害というものがなんなのか分からず、漠然と「うちの子に限って“ふつうの子じゃない”なんてことはない」と言い聞かせていました。
だんだんと毎朝泣く長男に背を向けて走って仕事に行くのが精神的に辛くなってきた頃、長男が川崎病を患い約1ヵ月、病院あるいは自宅療養で片時も離れずに一緒にいる機会がありました。
【川崎病】長男闘病 ~川崎病とは/長男の発症事例(急性期・治療)~
入院を機にさらに登園拒否が加速
川崎病の治療が終了し、経過観察となるといつもの日常生活に突然切り替わります。
療養中は四六時中旦那か私が傍にいて長男自身も泣くこともワガママを言うこともなく落ち着いていたので、私の気持ちも少し休憩することが出来ていました。
しかしこの反動なのか日常生活に戻ると一気に登園拒否が加速。サッカー教室も勝手に「参加しない」と休んでしまう。
卒園式の練習では在園時としての参加なのに、泣けてしまって練習にもならない。
と、問題が頻発するようになってしまいました。
年長にあがった時には担任の先生から
「みんな違うんだけれども、少し+αで長男君には接してあげる必要性を感じています」と言われました。
年長の担任の先生はよく観察してよく私に状況を教えていただくことができ、さらに「市の巡回で専門の方が保育園に来るので、私にできる接し方を聞いてみてもいいですか?」と提案してくださったのでお願いしました。
その結果
- 非常にゆっくり。
- 急かすよりも待って、見守ってあげる。
- 感受性がとても豊か。
- 不安を人よりも強く感じやすい。
- 前もって次の事、次の日の事を早めに教えてあげて不安を取り除いてあげる。
- スキンシップと愛情表現で自己肯定感をあげてあげる。
と長男の特徴とアドバイスをいただいたそうで、私にも共有してくださいました。
試行錯誤自分で頑張ってみても上手くいかず私の愛情不足のせいでこうなってしまったのか…と落ち込んだこともあります。
発達相談の専門家に相談を決意
漠然と「うちの子が発達障害なんて…成長過程なんだ」と向き合う事を避けていた私ですが、この担任の先生や周囲の人の助言などを聞いていて次第に考えが変わってきました。
- 発達障害は得意不得意の凸凹が大きいだけ
- 早くから今よりもいい接し方を聞けばいいだけ
- 周囲の人にどう接してもらえばいいか聞けばいいだけ
たったこれだけの違いなんだと考え方が変わって、産休に入ったこともあって市の相談窓口に行くことができました。
相談窓口は意外と複雑。
紹介状がないと行政の相談窓口にはたどり着けませんでした。
その紹介状と言うのは市役所の飛び込みの子ども課や保健センターへの簡単な相談だけでいただけるんですが、そんなことも知らず。そもそも行政の相談窓口があったことすら知りませんでしたが、次女の健診のついでに保健センターで相談したところ、紹介状をいただくことができました。
紹介状の通りに電話予約をし、いざ当日長男を連れて相談へ。
対応してくださったのは、保育士さんと作業療法士さん(以下:OT)。
保育士さんが長男と遊びながら様子を観察している間にOTと心配なことや日常の状況を伝える。
その会話だけではOTも「性格や成長の過程にもとれる内容だ」と言っていましたが、その後知能や身体を使ったテストなどを検査しました。
ざっと覚えている中で特に気にされたのは
- 長男が目をつぶって手をだし、OTが1本触れ、どこを触られたのか指してもらう
- OTの手足を同時にいろんな動きをした時の模倣
- バランス能力テスト
一般的な6歳児ができる動きに比べるとやや苦手なようでした。
結果と対応
結果としては知的な部分に関しては問題はなさそう。
自分自身の身体を把握しきれておらず身体を使うことが苦手だと本人にも感じるところがあって、自己評価を高くしにくいからこそ、未知の事に対応できないような不安が大きく生き辛さを抱えている、抱えていく可能性が高い。
けれども医者ではないので診断は出来ませんが、現状から対応としては
- バランス感覚を養うために運動や身体を動かす事は継続してやるといい
- 手先指先もまだ感覚がしっかりしていないので指遊びも取り入れる
- 不安を感じないように、未来の予定を早めから伝えてあげる
とアドバイスを頂きました。
自分の身体が理解できて、周りの子との動きに少しでも近づけば自信もつくし、それが自己肯定感にも大きくつながっていく。自分の身体すらわからないんだから不安に思わないわけがないんです。人一倍今は不安を感じやすいけど、それが不安にも対応できる自信にもなっていきますよ。
と教えていただけました。
ただの子どもの特徴への不安から、どうしたらいいのか教えてもらえた事で長男にしてあげれることが自己判断の変わった愛情表現だけでなく、長男に適した接し方があるんだと知ることが出来たのはとても大きな収穫でした。
家庭のなかだけではわかりづらいような、集団にいるからこそ出てくる特徴で生き辛さが発覚する子は結構いるようです。
それがいいか悪いかとかではなく、ただ不安に思うだけよりも診断名をつけるよりも、対応策や本人の生き辛さを1つでも取り除いてあげられることができるようになるために漠然と不安を抱えている人は相談してみるのはおすすめします。
その後の変化
相談に行ってから約5ヵ月、特別対応に大きな変化があったわけではありませんが、家でも庭で遊ばせたりする時間が増え、サッカー教室や空手を続けています。
家では次女の遊びと称して一緒に手遊び歌や小さなピアノで指先を使うようになりました。
保育園の先生にも協力していただいて、先の事を早めに伝えるようにしています。
そして、たまたまですが「計算がやりたい」というので、たし算引き算のワークを買ってあげたところサクサク進めることができ“本人の得意なこと”を見つけてあげる事ができました。
計算のワークに関しては自信を持っているようです。
目に見えた変化としてはサッカー教室での動きです。
- 友だちとぶつかるのが怖くてボールを取りに行けなかった
- 走るのが遅すぎてゲーム中もみんなを追いかけるだけだった
- 追いかけるのに必死過ぎてカットされて転がってきたボールに触ることなくみんなを追いかけていた
そんな長男が
- ボールの取り合いに混ざってぶつかりに行き
- ボールをよく見るようになったのでみんなを追いかけなくなり
- たまたま転がってきたボールを蹴る
ことがこの1ヵ月ほど出来ていて、たかがそれだけ、決してチームに貢献するような動きではありませんが大きな変化。練習を見ているだけで涙がでそうでした…
自己肯定感や自信、これは本人にもきっとわからないでしょう。
でもサッカーでボールに触れるようになったことは本人がとてもサッカーを楽しむきっかけになっているようで、家でも一生懸命練習しています^^
あのまま「うちの子は“ふつう”のはず…」なんて意地になっていたら、長男はさらに生き辛さや、不安を抱えていたかもしれません。
まだ泣き虫でのんびり屋だけど、不安な顔より笑顔の時間が増えたようにも感じます。
それにそこはただの性格なのかもしれません笑
“ふつう”なんてない
みんなそれぞれ違って、こんな風に特別苦手な凸凹がなくても万能な子なんていない。モヤモヤした不安を抱えながら子育てするより、「今のままの子育てに自信を持っていい」のか「もっと子どもが自信を持てる方法を教えてあげられる」のか相談に行くのってとても大切です。
子どもの凸凹が大きいことは決して悪いことではないんだと知ることができ、子ども3人いても1人1人違った子育てや息抜きの仕方があるんだとわかりました。
不安で悩んでいるならまずは誰かに相談してみてください^^